戦術は見えやすく、戦略は見えにくい
見えにくい戦略を見えやすくする手段が事業計画づくり


今回の薫風通信では、
事業計画づくりについてお話したいと思います。
長文で乱文ではありますが、事業計画づくりを通して、
みなさまの企業活動に少しでもお役にたてばと思います。

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ビジネスで、
戦術は、日々の繰り返し作業、
戦略は、全社的な方向性、基本方針、範囲決め
と、戦術と戦略を区別するようにしています。

区別することで、
ビジネスで大事な部分と、それ以外に分けて
経営を研究することができます。


行動を科学する。そして統制する。
これが経営の真理の一つです。
ちなみに科学の「科」は分けるという意味です。
分けて分類して定義して整理します。

なので、私が掲げているテーマ「実現できる事業計画」は、
事業活動を分解して分類して研究して
整理して方向性を示すことにあります。


戦術は、目の前にある仕事なので、見えやすいです。
配達、製造、ホールサービス・・・

戦略は方向や方針、範囲なので、
なんとなく見えにくく、忘れられやすく、
後回しにされやすいです。
なので、見える化しておくといいです。

つまり、事業計画書に文章で書いておくことです。
そして、よく見るようにしておきます。
そしたら、経営の大事な部分である戦略について
よく見えて、よく考えるようになると思います。

(社員は、会社に対する、
ぼやっとした不満や不安・心配は見えにくいので、
目の前にあって、よく見える給与明細書や社長の高級車に、
不満の対象をぶつけてしまうこともあります。
でも給与を改善したところで、
ぼやっとした不満・不安・心配は解消されてないと思います。)


社員は、仕事をするとき、よく見える作業、
目の前の仕事、から手を付け始めます。
このことは、社員の業務日報をみればよくわかります。
作業名を書いています。

社長まで、それにつられて、目の前の仕事ばっかりしていては、
経営の大事な部分の研究がおろそかになると思います。

仮に社長も業務日報を書いてみると、
今日やったことが戦術的な仕事ばかりして、
戦略的な、本来の社長の仕事の割合が
少なくなっていることに、気づくと思います。

野球の試合で、草野球は監督やキャプテンやコーチがいなくて、
野球好きな人達が楽しくやっているとすると、
プロ野球は、しっかり勝ち方を考える監督がいて、
選手たちはその指示通りに統制のとれた、ゲームをしていると思います。

プロ野球は、プロなので、ビジネスでもあるので、
勝つという目的があるからです。

組織活動を見るとき、組織の目的、目標、戦略、仕組みといった、
設計が見えないことがあります。

クライアントの会社の社員に、
ここの組織(部署)の目標は何ですか?と聞いてみると、
答えられないことが多いです。

目標に向かってないのに、日々の仕事は忙しそうにしている・・・

これは組織活動ではなく、個の集まりであり、
大きな成果は生まれにくいと思います。
組織には、組織の設計が必要です。

目的、目標、戦略、仕組みを設計し、
その設計内容を組織の構成員に浸透させます。
具体的には経営計画発表会や、小さくは朝の朝礼でもいいです。

そして、それに基づく実行とそのあとの実行管理。
実行管理は、活動を数値化したり、数値以外で評価したりして、
会議で1か月間の活動が見えるようにしておきます。
そのような情報なくして、会議はできないと思います。

会議では目標達成に役立つ情報を持ち込むと、
参加者で吟味しやすいですし、
イノベーションの種を育てやすいです。

数値化と社外情報、社内情報、今何が起きているか、
微妙な変化をよみとる習慣をつけることで、
会議が停滞したり形骸化したりすることを解消できると思います。

そのような会議を進めていくと
会議での参加者の積極的で前向きな発言が多くなり、
「会議が楽しかった」という社員の声も聞こえてきます。

そして、事業計画書とそれにリンクした会議資料、
会議資料は1か月の経済活動を表現した主要指標が記載されていること、
このようなインフラを整備していくと、
いままで、どことなくフンズマリだった組織活動が、活路が見えてくるし、
なんとなく経営だったのが、明確な方向性が見えてくるようになります。

(会議資料はできるだけ、事業計画書にリンクした方がいいですよね。
事業計画の進捗や軌道修正をするのが会議だからです。
企業活動でエラーがでたら、事業計画の設計がおかしくないかもチェックします。)

社員が何をすればいいのか分かった、
会社の方針と自分の行動方針が合っているので安心した、
理解できなかったことが、わかるようになってきた、
このような反応を社員が示すようになれば、
事業計画が役に立ち始めているのだと思います。

社員は、方向性が決まり、先行きが見えれば
明るく、元気に活動するのだなと改めて感じます。
明るい指針を示せる経営をしたいものです。



原理原則に沿った事業計画書づくりを
多くの会社で実践していただければ、
そして、そのお手伝いができれば、
私も社会貢献ができてうれしく思います。